南米出身の人々の来日から、まもなく30年(*)。子どもの教育、労働に始まり、近年では年金や健康、介護といった新たな課題も生まれている中、大きな課題はやはり言葉の壁だ。子どもたちの進路にも立ちふさがり、ペルー人を含む兵庫県内の在留外国人の児童生徒約3人に1人は学習に必要な言語能力が不足していると言われている(**)。そんな状況にあるスペイン語圏出身者を支えているのが、日系3世ペルー人の大城ロクサナさんだ。1991年に夫と来日。阪神・淡路大震災で経験した避難生活、その後の子どもの小学校入学をきっかけに、ボランティア活動をスタート。日本の生活情報をスペイン語で掲載した無料情報誌の発行や、スペイン語放送によるFMラジオ番組でのパーソナリティ活動、さらに日本在住のスペイン語圏の子どもたちがスペイン語を学ぶための母語教室などを通じ、夢を持って来日する多くのラテンアメリカ系の人たちに、生活相談のサポートはもとより日本語を学び、教育を受ける大切さを伝え続けている。平成30年1月には、念願だったスペイン語による防災ガイドブックを作成。神戸だけでなく日本各地に存在するスペイン語圏コミュニティの人々が、日本国内での災害対策に自主的に取り組むきっかけとして、大きな役割を果たしている。

*平成2年の入管法改正で日系3世までの人々が日本で就労可能となり、中南米諸国からの日系人の来日が急増した
**参考資料:兵庫県独自調査資料(平成29年5月兵庫県教育委員会人権教育課)

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